2025年の技術士〈建設部門〉試験は、7月21日(月・海の日)に実施予定です。
受験準備は順調に進んでいるでしょうか?
本記事では、過去の出題傾向と近年の社会動向をもとに、必須科目(Ⅰ)の出題テーマを予想してみました。さらに、対策に役立つ国交省の公式資料やキーワードも紹介します。直前対策の仕上げとして、ぜひご活用ください。
2024年の出題テーマを振り返る
まずは、昨年度の出題内容をおさらいしておきましょう。
- テーマ1:全国的なネットワーク形成および地域内ネットワークの強化を目指す社会資本整備
- テーマ2:大規模災害の発生後の復興・復旧におけるDXの活用
また、両テーマには共通して「投入できる人員や予算に限りがあることを前提とする」という制約条件が課されていました。
必須科目の問題は、おそらく複数年受ける受験者が増えて、受験者のレベルも上がっているため、年々条件が複雑化している印象を受けます。
2025年の出題も、何かしら条件が付いた問題が出題されるかもしれません。
2025年の必須科目出題テーマ予想
出題テーマのドンピシャな予想はなかなか難しいですが、時事的内容から出る傾向があるので、2024年度〜2025年春にかけての注目トピックをもとに、2つのテーマを予想しました。
出題予想①:大規模災害と複合災害
災害といえば、2024年1月に発生した「能登半島地震」がよく知られている事例の一つです。
他には2024年8月に「日向灘地震」が発生し、南海トラフ巨大地震のリスクが高まっていることが示されています。
特に能登半島地震では、地震直後の地形変化や施設被害が残る中での豪雨災害が重なり、「複合災害」という新たなリスクが浮上しました。
出題予想②:インフラ老朽化と維持管理の高度化
老朽化で注目された事例の一つが、2025年1月に発生した「埼玉県八潮市道路陥没事故」です。
原因は下水道管の老朽化による破損でした。続いて、令和7年4月にも「京都市下京区における水道管漏水事故」が発生しました。
全国各地で、埋設物等の見えないインフラの経年劣化が顕在化しています。
対策に役立つ公式資料
以下に、今回予想した2つのテーマに関係する国交省の最新資料をまとめました。論文の「ネタ出し」や「キーワード整理」に活用してください。
複合災害に関する資料
能登半島地震の何が問題だったかというと、巨大地震だけではなく、その後の豪雨災害により、地震で変状した地形や施設の影響が残る中で大雨が発生し、土砂・洪水氾濫等が拡大する「複合災害」に発展したことです。
今後は、単体災害だけではなく、「複合災害」まで視野に入れた対策が必要となります。
その点を確認しておくことをおすすめします。
参考リンク
また、人口と機能が集中している都市では、災害発生時には都市特有の被害が発生するため、以下の対策を確認しておくと、解決策のネタとして活用できます。
- 地下空間への浸水対策、
- 密集市街地での火災対策
- 大量の帰宅困難者対策
インフラ老朽化・維持管理に関する資料
埼玉県八潮市道路陥没事故を契機として、老朽化インフラの問題点が再浮上しているので、それらに関係する資料を確認しておくことをおすすめします。
参考リンク
下水道等に起因する大規模な道路陥没事故を踏まえた対策検討委員会
上記資料の中で、第6回の資料5「第2次低減(案)概要」は、フェールセーフやリダンダンシーといった旬なキーワードを活用しているので、特に参考になります。
この中の資料3「今後の社会資本整備の施策の方向性について」を確認してほしいです。
キーワード量が多く、まとめるのが時間がなく難しい場合は、老朽化インフラの部分だけでも確認してほしいです。
重要ワードは「長寿命化」、「予防保全」、「新技術」、「インフラストックの適正化」等が挙げられます。
まとめ
2025年の技術士〈建設部門〉必須科目では、以下のような社会的に注目度の高い課題が出題される可能性があります。
- 大規模災害や複合災害への対応
- 老朽化インフラの維持管理と予防保全
また、近年の傾向として「人員や予算に制約がある」という現実的な条件付き出題が増えており、単なる理想論ではなく「実現可能性のある解決策」が求められています。
本記事で紹介した国交省の資料や関連キーワードは、論文のネタ出しや骨子作成のヒントになります。
試験当日まで、自分を信じて駆け抜けていきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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