技術士必見!防災白書(令和4~6年)に見る建設業が注目すべき防災課題

白書

 防災面の課題は、環境面と同様、早期に解決できるものではないので、R4~R6の間で大きな課題の変化はありませんでした。なので、R4~R6で毎年出ている課題は、R6にまとめて掲載しました。

令和4年 防災白書の課題整理

  • 令和3年7月からの一連の豪雨災害での課題として、「避難情報が発令されても、住民が適切に避難行動をとれていない」、「市町村は避難情報の発令を躊躇するなど、 適切に避難情報を発令できていない」がある。
  • 自然災害が激甚化・頻発化しているとともに、平成28年熊本地震では災害関連死が8割を占めるなど、超高齢社会の我が国においては避難生活環境の向上が喫緊の課題。
  • 給油、移動手段を持たない高齢者への灯油配送などに支障を来すいわゆる「SS過疎地問題」が、地域住民の生活環境の維持及び防災上の観点から課題

令和5年 防災白書の課題整理

  • 関東大震災の発生時にも迅速な被害情報の収集や初動対応が課題となったが、阪神・淡路大震災においても改めて同じ課題が浮かび上がった
  • ハード面の整備が進むにつれ、適切な管理を行わなければ、施設の老朽化や空き家の増加 が新たな課題となる
  • 国民の大多数が自然災害を直接経験することが少なくなり、自然災害が遠い存在となった側面がある。災害を自分の事として考えづらくなっている。今後の首都直下型地震等の大規模災害に備え、災害を自分事化することが課題
  • 首都直下地震等の巨大災害の発生時には、高齢者の心身のケアや避難生活の環境改善が課題

令和6年 防災白書の課題整理

  • 巨大地震発生に対し、積雪寒冷地特有の課題として、「吹雪や積雪寒冷により避難に時間を要する」、「屋外や寒い屋内での避難は低体温症のリスクが生じる」がある
  • 市町村では、施設管理者等が避難確保計画を作成するためのノウハウ を有していないことや、小規模な施設にとっては計画作成自体が負担となっていることなどの課題
  • 能登半島沖地震では、道路の通行止めにより33地区最大3,345人(1月5日現在)が支援を受けられない孤立状態に陥ったため、孤立集落の解消が課題
  • 自然災害が激甚化・頻発化により、避難生活が長期化する恐れがある。避難所の設置期間が数週間から数ヶ月に及ぶ場合もあり、避難生活環境の向上が課題
  • 気候変動リスクを踏まえた抜本的な防災・減災対策今後必要となる。土地利用のコントロールを含めた弾力的な対応により気候変動への適応を進める 「適応復興」の推進が課題。
  • 既成市街地において、都市機能の更新、密集市街地の整備改善が課題

使えそうな数値

能登半島地震の被害
  • 令和6年能登半島地震は、令和6年1月1日16時10分、石川県能登地方の深さ16km(暫定値)を震源とするマグニチュー ド7.6(暫定値)の地震
  • 能登半島の大動脈と言われる国道249号を始め、多くの道路に崩落、土砂崩れ、ひび割れ、段差 が生じた。特に石川県においては、のと里山海道、国道249号、珠洲道路、七尾輪島線などの県管 理道路で最大93か所が通行止めとなり(1月5日現在)
  • 能登半島地震では、北陸電力送配電株式会社管内において、電柱の倒壊や断線により、1月1日に最大約4万戸が停電した。
  • 石川県を始めとして新潟県、富山県、福井県、長野県、岐阜県の6県29市7町1村にある最大約 136,440戸で配水管破損、管路破損等の被害により断水が生じた。
  • 設備の故障や停電により、携帯電話の基地局の稼働停止が発生し、1月3日には、携帯電話事業者 4社の合計で839基地局が停波した。
  • 能登地域の代表的な観光地である輪島朝市は火災により約240棟、約49,000㎡が焼失して再建の目処が立っていない(4月1日現在)
台風被害
  • 令和5年梅雨前線により、西日本から東日本の太平洋側を中心に大雨となり、高知県、和歌山県、奈良県、三重県、愛知県、静岡県で線状降水帯が発生し、1時間降水量が観測史上1位の値を更新した地点があった。
  • 令和5年5月31日から6月3日の大雨等により、各地で土砂災害による被害が発生したほか、愛 知県等で国・県管理の44河川が氾濫し、浸水被害が発生した。

まとめ

 8月8日に日向灘で南海トラフ沿いに地震が発生しているので、今後は大規模災害の備えが重要になってきます。建設の観点からは、「孤立集落の解消」や「施設の老朽化対策」が重要なのではと感じました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

出典:令和4年~6年度防災白書(内閣府)

ペンシル

この記事を書いた人
名前:ペンシル

専門部門:建設部門

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はじめまして! 私は建設コンサルタント業界で10年の実務経験を持ち、現在はインフラ維持管理業務に取り組んでおります。
技術士資格の取得を目指して日々勉強中です。
この挑戦を通じて得た経験や知識を、同じ目標を持つ皆さんと共有したいと思い、ブログ「技術士めし」を運営しています。
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