令和6年度 防災・減災プロジェクトを徹底解説|能登半島地震から学ぶ主要対策

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令和6年6月に「令和6年度 総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」が公表されました。
今回のテーマは「能登半島地震を踏まえた防災対策の推進」となっています。
2024年1月1日に能登半島地震が起き、話題となりました。
この地震を踏まえて、プロジェクトが見直されました。

この記事では、防災・減災プロジェクトの経緯と主な取り組み内容を紹介します。

1.これまでの経緯

令和5年度の防災・減災プロジェクトは、「首都直下地震等の大規模地震対策の強化」、「デジタル等の新技術を活用 した防災施策の推進」を強化テーマとし、対策をとりまとめてきました。

2.令和5年度の主な災害

  • [台風第2号] 国道1号の冠水状況(愛知県豊川市)
  • [梅雨前線の影響による大雨] 雄物川水系太平川の浸水状況(秋田県秋田市)
  • [台風第7号] 市道高山線(高山橋)の流失(佐治川・鳥取県鳥取市)
  • [台風第13号] 一宮川水系一宮川の浸水状況(千葉県茂原市)
  • [令和6年 能登半島地震等の自然災害] 国道249号道の駅千枚田付近の被害(石川県輪島市) わじまし

3.令和6年度防災・減災プロジェクトの主要な取組み

令和6年度防災・減災プロジェクトでは、主要な取り組みとして、
①発災後に被害の影響を軽減するための応急対応
②被害を防止・軽減するための事前対策
の2つの取組みを取り上げています。 
対策の中で建設分野に関わるものをピックアップしました。

①発災後に被害の影響を軽減するための応急対応(主に発生後の応急対応に係る内容)

(1)災害調査のオートメーション化

土砂災害や河道閉塞等の調査に、大型・高性能ドローン を活用することによって、災害の継続監視や応急復旧 工事における安全管理等において、省人化・効率化・ 迅速化を図れる。

(2)人工衛星を活用した土砂災害箇所の早期把握

AI等の画像解析技術を活用することで、人工衛星画像から土砂移動発生箇所の抽出を自動化できる。
それにより土砂移動箇所を効率的・迅速的に把握することができる。

(3)道の駅の防災機能強化

道の駅で非常用電源、太陽光発電、蓄電設備、雨水貯留設備、地下水活用設備、災害時もつながる通信環境などを整備することで、防災拠点として有効に機能を発揮できる。

(4)生活インフラの迅速な復旧のための関係者間の連携

被災地域の上下水道、電力、通信などのインフラ復旧ニーズを踏まえ、道路の緊急復旧箇所を事前に調整することで、大型車の通行が迅速に再開できる。

②被害を防止・軽減するための事前対策(主にインフラ整備や耐震化・強靭化等に係る内容)

その1:地震動への対応

(1)インフラの耐震化・強靭化(道路)

過去の被災経歴から、既存盛土で大きな被害が出る傾向があるため、計画的に耐震の照査や対策を行うことで、被害低減を図れる。

(2)インフラの耐震化・強靭化(港湾)

被災地の湾岸だけでなく、被災地を救助・救援するため、支援船への補給・物資の積み込み等としての活躍が期待される湾岸においても、耐震化を並行して進めることで、迅速な復旧が図れる。

(3)インフラの耐震化・強靭化(防災拠点としての空港の機能強化)

能登空港では、空港内に段差、亀裂が生じたことから、より一層の耐震化を進めることで、防災拠点として活用できる。

その2:津波への対応

(1)津波防災まちづくりの推進

津波による浸水被害防止のため、海岸保全施設による防護だけでなく、土地利用の見直しや津波防護施設の整備など、まちづくり一体となった事前防災型の津波防災まちづくりを推進することで、被害低減を図れる。

(2)河川・海岸堤防等の嵩上・耐震対策、水門等の自動化・遠隔操作化等の推進

河川・海岸において、堤防等の整備や水門等の自動化・遠隔操作、樋門の無動力化などの対策を引き続き行うことで、被害低減を図れる。

その3:液状化への対応

(1)宅地の液状化対策 液状化への対応

全国で地盤のボーリングデータの収集・公開を進めることで、液状化ハザードマップ作成を促進する。ハザードマップの公開により、住民とのリスクコミュニケーションを充実させる。

その4:横断的な対応

(1)冗長性のあるネットワークなどのインフラ整備・ 分散型システム活用などによる災害に強く持続可能なインフラ整備

多重無線と光ファイバによる冗長性確保や、複数通信手段の確保などにより分散型システムの活用により通信ネットワークを強化することで、被災時に迅速な復旧を図ることができる。

まとめ

令和6年度のプロジェクトでは、能登半島地震を踏まえ、関係者機関とのより一層の連携強化や、防災技術の高度化が見られました。
これから防災分野でもDXの活用が進んでいくので、より一層のデジタル化が進んでいくと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

出典:令和6年度 総力戦で挑む防災・減災プロジェクト(国土交通省)

ペンシル

この記事を書いた人
名前:ペンシル

専門部門:建設部門

プロフィール:
はじめまして! 私は建設コンサルタント業界で10年の実務経験を持ち、現在はインフラ維持管理業務に取り組んでおります。
技術士資格の取得を目指して日々勉強中です。
この挑戦を通じて得た経験や知識を、同じ目標を持つ皆さんと共有したいと思い、ブログ「技術士めし」を運営しています。
私のブログが、同じく技術士試験を勉強してるあなたにとって少しでもお役に立てるのなら大変嬉しく思います。
よろしくお願いします。

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