【技術士試験対策】令和4~6年 環境白書から見る脱炭素・循環型社会の課題

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 環境面の課題は早期に解決できるものではないためか、R4~R6の間では似たような課題がけっこうありました。なので、R4~R6で毎年出ている課題は、R6にまとめて掲載しました。

令和4年 環境・循環型社会・生物多様性白書の課題整理

  • DX(デジタル トランスフォーメーション)の活用により、「脱炭素」、「循環経済」「分散・自然共生」という多角的な切り口によるアプローチでSDGsにも取り組みつつ、将来世代が安心して暮らすことがでるグリーン社会を作っていくことが課題
  • 日本だけでなく世界規模で気象災害が増加・激甚化している。災害時の水確保だけでなく、水資源への負荷軽減や水を有効活用する技術やライフスタイルを確立することが課題
  • 持続可能な地域づくりのため、①地域資源の保全・活用と地域間の交流等の促進、②地域資源の保全・活用の促進のための基盤整備、③森林資源の活用と人材育成、④災害に強い森林づくりの推進、⑤景観保全、⑥歴史的環境の保全・活用が課題
  • 循環型社会の形成を推進すべく、資源効率性・3R(リデュース、リユー ス、リサイクル)と気候変動、有害物質、自然環境保全が課題

令和5年 環境・循環型社会・生物多様性白書の課題整理

  • 持続可能な社会にするため、炭素中立 (カーボンニュートラル)・循環経済(サーキュラーエコノミー)・自然再興(ネイチャーポジティブ) の同時達成を実現させることが課題
  • 気候変動対策と一体的に取り組むべき地球環境課題として、生物多様性保全がある
  • 炭素中立(カーボンニュートラル)、循環経済(サーキュラーエコノミー)、 自然再興(ネイチャーポジティブ)の同時達成に向けた取組を見てきました。GXをはじめとするこれ らの取組を加速させることで、持続可能性を巡る社会課題
  • 環境性能に優れた先進的な脱炭素技術・製品の多くは、一般的に導入コストが高く、普及には困難が伴うことが課題

令和6年 環境・循環型社会・生物多様性白書の課題整理

  • 世界の平均気温は上昇傾向にあり、洪水、干ばつ、暴風雨による被害が更に深刻化しており、環境危機への対応が課題
  • 侵略的外来種への対応は課題
  • 世界の気温上昇が1.5℃程度に抑えられたとしても、熱波のような極端現象や大雨等の変化は避けられない。気候変動の悪影響に伴う損失及び損害への対応が課題
  • 地域の脱炭素化を進めていく上では、再生可能エネルギーの利用の促進が重要。しかし、地域との合意形成が十分に図られておらず、地域トラブルが発生している。地域社会との共生が課題
  • 地熱発電は、発電量が天候等に左右されないベースロード電源となり得る再生可能エネルギーである。しかし地下資源の開発はリスクやコストが高いこと、地熱資源が火山地帯に偏在しており適地が限定的であること、自然環境や温泉資源等への影響が課題
  • 近年、熱中症が社会問題となっており、自然災害による死亡者数を上回る状況にある。今後、地球温暖化が進行すれば、高温リスクが増加するため、熱中症対策が課題
  • 環境性能に優れた先進的な脱炭素技術・製品の多くは、一般的に導入コストが高く、普及には困難が 伴うという課題
  • 水素社会の実現は、一次エネルギーのほぼ全てを海外の化石燃料に依存する日本において、大いに貢献できる技術。しかし、水素社会の実現には、技術面、コスト面、インフラ面が課題

使えそうな数値

  • 石炭火力発電は天然ガス火力発電の約2倍
  • 令和元年東日本台風の将来シミュレーションにおいては、気温が4℃上昇した場合、関東・東北地域の累積降水量が平均で19.8%増加し、 河川の最大流量が平均23%上昇する結果となった。
  • 2023年の梅雨期の大雨について、地球温暖化によって6月から7月上旬の日本全国の線状降水帯の総数が約1.5倍に増加していた。
  • 65歳以上の高齢者の総人口に占める割合を国際的に比較すると、2023年では日本は、29.1%と世界で最も高く、2100年には40%と世界の主要国の中で最高の水準になると推計 されている。
  • ・2050年までに、全国の居住地域のうち約2割の地域が無居住化し、それらも含め、約半数の地域で人口が50%以上減少すると予測されている。
  • 2022年度の森林等からの吸収量は、5,020万トンCO2 換算で、2021年度比6.4%の減少となった。これは、人工林の高齢化による成長の鈍化等が主な要因と考えられている。
  • 2023年5月から9月までの熱中症の救急搬送人員は約 9万1千人
  • 2024年1月1日16時10分に石川県能登地方の深さ約15kmでマグニチュード7.6の地震が発生した。
  • 2011年3月11日、マグニチュード9.0という日本周辺での観測史上最大の地震が発生した。
  • 1898年から2023年の期間において、日本の年平均気温は100年当たり1.35℃の割合で上昇している。
  • 建設廃棄物全体の再資源化・縮減率は2000年度の85%から2018年度には97.2%と着実に向上している。

まとめ

 環境白書を見てみて、建設業につながるテーマは大きく以下の2つのくくりになるのかなと思います。

DX(デジタル トランスフォーメーション)の活用により、「脱炭素」、「循環経済」「分散・自然共生」という多角的な切り口によるアプローチでSDGsにも取り組みつつ、将来世代が安心して暮らすことがでるグリーン社会を作っていくことが課題

テーマ1:「脱炭素」、「循環経済」「分散・自然共生」のそれぞれの観点からDXを活用してグリーン社会を構築する。

テーマ2:持続可能な社会にするため、「炭素中立」・「循環経済」・「自然再興」を同時に進めることが重要。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

出典:令和4年~6年度環境・循環型社会・生物多様性白書(環境省)

ペンシル

この記事を書いた人
名前:ペンシル

専門部門:建設部門

プロフィール:
はじめまして! 私は建設コンサルタント業界で10年の実務経験を持ち、現在はインフラ維持管理業務に取り組んでおります。
技術士資格の取得を目指して日々勉強中です。
この挑戦を通じて得た経験や知識を、同じ目標を持つ皆さんと共有したいと思い、ブログ「技術士めし」を運営しています。
私のブログが、同じく技術士試験を勉強してるあなたにとって少しでもお役に立てるのなら大変嬉しく思います。
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