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必須科目の問題で、
「国土交通省の政策をどう答案に落とし込めば評価されるのか」
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令和8年度(2026年度)の技術士二次試験【建設部門】の筆記試験は、7月20日(月・海の日)に実施されます。
この記事では、今年の出題傾向とテーマを予想します。出題を予想し、学習テーマを絞ることで、効率的に勉強ができるようになります。

この記事を最後まで読むと、国の政策を基にした今年の出題テーマに加え、効率的な勉強方法や論文の展開方法まで知ることができます。
過去問から出題内容を掴む
まずは過去問分析から始め、出題傾向を掴んでください。
ここでは、令和7年度の過去問題を例に分析してみます。以下が令和7年度の必須問題です。項目ごとに分析していきましょう。
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社会背景が冒頭にある

近年、社会資本の老朽化や自然災害が激甚化しています。建設業には、「地域の守り手」として、安心・安全な社会を守る責務があります。しかし、以下のような制約条件があります。
- 建設就業者の高齢化や若年層の不足による担い手不足の加速化
- 建設資材の高騰によるコスト制約の増大
- 時間外労働規制による労働時間の制限
つまり、「人」「カネ」「時間」の制約のある中で、いかに社会問題を解決していくかがカギとなります。
担い手3法が改正されている

ここで担い手3法改正を挙げているということは、「担い手3法の内容に触れたことを書いてほしい」という出題者の意図を感じ取れます。
3つの課題提示が求められている

建設業が持続的に社会資本の老朽化や自然災害に対応していくための技術課題を3つ挙げるとあります。さらに、「構造上、制度上、管理上等の課題も含まれる」とあえて書いてあるということは、技術・コスト・人材の一般的な観点だけでなく、「構造上、制度上、管理上等の幅広い視点で、建設技術者の立場から書いてください」という指示になります。
重要な課題と複数の解決策を挙げる

重要な課題を1つ挙げ、複数の技術解決策を書くことを求められています。重要な課題は、1文でも良いので、選んだ理由を挙げると良いです。
解決策は複数なので、2~4個くらいが良いです。解決策の数に正解はありません。2個でも4個でも合格している受験者はいます。大切なのは、「問題の意図を汲み取った自分の考えをしっかり反映しているか」ということです。
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懸念事項とそれへの対策を挙げる

解決策を進めると生じてくる将来的な懸念事項を書きます。「将来的というのはどれくらいか?」は特に明示されていませんが、1、2年の短期ではなく、10~20年の中長期視点で考えた方が良いです。
技術者倫理と社会持続性を挙げる

業務を遂行するために、「技術者としての倫理」と「社会の持続性」の2つについて述べます。技術者としての倫理には、公衆の安全確保や反倫理行為の禁止などがあります。
社会の持続性には、地球環境の保全や持続的な社会構築、担い手確保などがあります。自分が普段の業務で大切にしていることを書いてみましょう。
上記6つのポイントをまとめました。
①社会背景を理解している
②国土交通省の政策を理解している
③問題の要求に沿った3つの課題を挙げる
④重要な課題と2~4個の解決策を挙げる
⑤懸念事項と対策を挙げる
⑥技術者倫理と社会持続性を挙げる
必須問題の中で最も重要なのは、「②国土交通省の政策を理解していること」です。
技術士試験は国家資格です。どんなに素晴らしいことを書いても、国の政策(方針)から外れたことを書いては、問題の意図を読み取れないとしてA評価にはなりません。
建設部門では、国土交通省で公表された「過去1年間の施策」は必ずチェックしておきましょう。
過去問から予想テーマを考える
令和元年度からⅠ(必須)問題は、筆記試験が択一から論文方式に変更となりました。過去問題にさかのぼり、問題分析すると、予想テーマが見えてきます。
過去にⅠ問題で出題されたテーマは下表の通りとなります。
| 出題年 | 問題Ⅰ-1 | 問題Ⅰ-2 |
| 令和元年度 | 生産性向上 | 大規模な自然災害対策 |
| 令和2年度 | 担い手確保 | 戦略的なメンテナンス |
| 令和3年度 | 循環型社会の構築 | 風水害の防止又は軽減 |
| 令和4年度 | DXの推進 | CO2排出量削減及びCO2吸収量増加 |
| 令和5年度 | 巨大地震 | 社会資本を支える施設のメンテナンス |
| 令和6年度 | 全国的なネットワーク形成及び地域のネットワーク強化 | 大規模災害発生後のDX活用 |
| 令和7年度 | 持続可能な建設業の実現 | 国際競争力の強化や地域産業の振興に必要な社会資本整備の推進 |
過去問の出題テーマから、以下の6大テーマに絞ることができます。
- 生産性向上
- 災害
- 担い手確保
- 維持管理
- 環境
- 海外展開
これらのテーマをもとに、出題を予想します。
出題予想の方法
先ほどの大テーマから、出題テーマを予想します。過去1年間の国の公表資料から出やすいため、それをもとに予想テーマを決定します。
予想テーマ①:第6次社会資本整備重点計画
令和8年1月に「第6次社会資本整備重点計画」が公表されました。社会資本整備重点計画は建設部門では重要な施策になるので、押さえておきたいポイントです。
社会資本整備重点計画というと、維持管理だけのイメージを持っている人も多いかと思いますが、実は、もっと幅広いテーマを扱っています。
第6次社会資本整備重点計画には「4つの重点目標」があります。
重点目標には、維持管理のほかに、先ほどのテーマで挙げた、生産性向上・災害・担い手確保・環境の項目が入っています。つまり、第6次社会資本整備重点計画をしっかりと理解しておけば、幅広い問題に対し、国の方向性に沿った論文を書けるということです。
詳しい政策内容と論文への活用方法は、以下の記事で紹介していますので、併せてご参照ください。
▶ 参照記事はこちら
予想テーマ②:複合災害
災害ネタはほぼ毎年出ているので、押さえておきたいポイントです。令和7年5月に、「能登半島での地震・大雨を踏まえた水害・土砂災害対策検討会」の提言資料がまとまっています。
いままで、地震や風水害といった単独災害が注目されていました。能登半島での地震は、地震後の豪雨による被害も多く、複合災害という新しいカテゴリーとして、今後の対策の在り方が見直される機会となりました。
複合災害のキーポイントは、「先発の自然災害発生後の応急対応の強化」と、「土砂、流木の流出への備えの強化」です。
災害理解を深める新しい視点として理解しておくと、出題対応力が高まります。
予想テーマ③:脱炭素化
令和7年5月に「国土交通省 環境行動計画」が公表されました。環境に関する問題は、令和3年度と令和4年度に出題されています。
この政策では、環境政策を巡る以下の4つの情勢を整理し、7つの環境政策を公表しています。
①脱炭素の必要性の高まり
②自然共生・生物多様性の機運増大
③循環経済の重要性の高まり
④気候変動の影響の顕在化
社会情勢に対する課題を整理し、自分の書きやすい環境政策につなげることで、政策を踏まえた論文を作成できます。
予想テーマ④:海外展開
令和7年5月に「国土交通省 インフラシステム海外展開行動計画(令和7年版)」が公表されました。海外展開に関する問題は、令和7年度に出たので、令和8年度の対策優先度は低いです。しかし、昨年に出た政策ですので、目を通しておくと良いかと思います。
▶ 国土交通省 インフラシステム海外展開行動計画の概要はこちら
予想テーマを1つだけ用意するのは危険です
時間がないからといって、予想テーマを1つだけ用意するのは危険です。1つだけでは、出題が外れたときに本番で書けなくなる可能性があります。
そのため、3~4個ほど用意しておくと、想定外の問題にも対応しやすくなります。
3~4個すべてに力を注いで用意するのが難しい方は、優先順位を付けてください。例えば、「2テーマは骨子と論文化までしてみるが、残りの2テーマはタイトルと文章のネタ数個の骨子だけ作っておく」という具合です。
骨子の作成例を載せます。参考にしてみてください。

重要度の優先順位を付けることで、限られた時間の中でも出題予想を抑えた学習ができます。
予想テーマを使い回す水平展開テクニック
用意した何個かの予想問題は、全く別物と考えていませんか?
実は、他の論文の内容を水平展開することができるんです。
展開例をご紹介します。
①社会資本整備をテーマにした問題の場合、災害で用意した防災の観点で「自然災害に強い社会資本整備の強化」と題した課題を入れる。
②生産性向上をテーマにした問題の場合、維持管理で用意した「効率的な社会資本整備の推進」と題した解決策を入れる。
このように、違うテーマで用意した内容を他の論文で利用することができます。

これにより、想定外の問題が出ても、用意した内容を組み合わせて対応することができます。
まとめ
技術士試験(建設部門)の必須科目は、以下の6大テーマに社会情勢や国土交通省の政策を踏まえた問題が出題される傾向があります。
・生産性向上
・災害
・担い手確保
・維持管理
・環境
・海外展開
今回まとめた予想問題を参考に、自分なりに出題傾向を分析し、効率よく学習を進めてください。自分で考えてみることが、技術士試験の理解を深める良い勉強になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考出典
能登半島での地震・大雨を踏まえた水害・土砂災害対策検討会 国土交通省
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